1つの国で発生したローンや証券化のトラブルは世界中に影響を及ぼす

アメリカのサブプライムローン問題の正体

2007年~2008年、アメリカのサブプライムローン問題を要因とする金融不安が発生しました。
大幅な株価下落が連続して起こり、2008年にはアメリカの大手証券会社であるリーマン・ブラザーズ社をはじめとした欧米諸国の有力企業が次々と経営破綻しました。
金融問題だけではなく、世界中の景気に多大な影響を及ぼしました。
さまざまな要因がありますが、株価が下落した1つの要因としてサブプライムローンがあります。

サブプライムローンは、アメリカで利用されている住宅ローンの1つです。
ローンを利用する際、借り手の返済能力はどの程度であるか審査が行われます。
低所得だとか、クレジットカードなどによる返済を何度も遅延させているなど信用力が低くなっている人は、ローンを組むのが難しいのが普通です。

これらのような信用力の低い人のために設けられた住宅ローンがサブプライムローンです。
サブプライムローンという名称は、従来のローンであるプライムローンに準ずるという意味があります。

証券化によるリスク分散

サブプライムローンは、プライムローンと比較すると貸出金が返済されないという貸し倒れリスクが高いです。
そのため、設定されている金利は高くなっています。
貸し手にとってはハイリスク・ハイリターンなのです。

また、借り手がローン返済不能となってしまった場合、貸し手である金融機関の損失を極力抑えるために証券化のシステムを利用しています。
簡潔に説明すると、小分けしたローンを証券に変えて、別の金融機関などの投資家に転売します。

このシステムにより、1つの金融機関が住宅資金を融資するのではなく、いくつかの金融機関などの投資家による共同融資と同じです。
そのため、もし借り手が返済する事ができなくなっても、それぞれの金融機関の損失を抑える事ができます。

それまでは住宅ローンの利用が難しかった人でも資金の借り入れが可能になる事から、アメリカでは2004年頃からサブプライムローンに人気が集中しました。
このブームは住宅購入者の増加を促進して、アメリカの全体的な景気に良い影響を及ぼしました。

新しい投資の機会を探していた金融機関にとっても、サブプライムローンからなる証券は魅力がありました。
ローン証券を購入した人は、配当などによって収益を得ます。
最初から金利が高い住宅ローンなので、その分利回りも高くなる事が期待できる事が理由です。

サブプライムローンに対して金融機関が積極的な投資を行うようになったため、さらに住宅への需要が大きくなり、不動産の価格も上がりました。
不動産の価格上昇により、ローンで購入した住宅を転売して利益を得る事も可能です。

このように、サブプライムローンのシステムを利用した住宅ブームはみるみる盛り上がり、バブルとなりました。

ローンの回収不能による損失が拡大していった

2006年頃から、サブプライムローンの問題点が発覚していきます。
ブームは落ち着き、不動産市況が少しずつ悪化していき、ローンを返済できなくなる人が次々と現れはじめました。

多くのサブプライムローンは、借り手が資金を借り入れやすくする目的で、もともと最初の2~3年だけが低金利となっていました。
それだけ、数年経過すると返済の負担がいきなり重くなるシステムです。

不動産が価格上昇している間は、それに基づいて金利が低いローンに借り換える事も可能です。
ところが、不動産市況が悪化した後は、それも不可能となります。
不動産の値上がりを期待して、返済能力に欠ける人々への資金融資を繰り返すというサブプライムローンの矛盾点が一気に明るみに出たのです。

ローンが返済されなくなると、サブプライムローンに関連した証券を購入した金融機関も損失を被る事となります。
しかも証券化によって小口で転売されていたサブプライムローンは資金の貸し手も多く、損失や影響の範囲はは想定よりも広がっていました。
損失を被った金融機関や額を正しく把握できなかったため、金融機関の経営に対する不安が拡大し、株価が下落する要因となりました。

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