世界中の金融市場はデリバティブによって動く

・グローパル化によってデリバティプに注目が集まっている
株式・債券など金融商品の取引ではなく、それらから派生する権利などに関係した契約締結や売買を行う事を「デリバティブ」といいます。
デリバティブは「金融派生商品」とも訳されており、長い歴史をもっています。
江戸時代にはすでに、先物取引というデリバティブの一種が大阪の米市場で行われていました。

近年、デリバティブによる取引は世界的な規模で急激に広がっています。
2008年6月末時点の日本におけるデリバティブ取引の規模は、日銀発表によると相対取引が27.5兆ドル・取引所取引が8.9兆ドルに達しました。
デリバティブは、資産を運用するための新たな方法や金融グローバル化によって発生する数々のリスクを避ける方法として利用されています。

・さまざまなリスクに対処できるデリバティブが存在している
デリバティブは大きく分けて3つの種類があります。
先物取引・オプション取引・スワップ取引があり、主に取引方法の相違点によってそれぞれ振り分けられます。

その取引は派生元が何であるかという点でも、分別が可能です。
先物取引を例に挙げると、「金利先物」は金利から派生しており、「通貨金利」は通貨から派生しています。
オプション取引・スワップ取引も同じです。

すべてのデリバティブ取引は、今後相場が変動する事などを想定すると共に発生するリスクを回避するような取引を行います。
これについての詳細は後述します。

これまでのデリバティブは、市場でのリスクに対処可能なものが主流とされていました。
ところが近年では、企業が経営破綻となった際のデフォルトリスク(信用リスク)に対処可能な「クレジット・デリバティブ」、天候の予想が安定しない場合に対処可能な「天候デリバティブ」なども存在しています。

・デリバティブはリスクヘッジの効果を生む
デリバティブの主な特徴として、以下の2種類の効果が挙げられます。

1つ目は、リスクヘッジの効果です。
例を挙げると、3ヶ月が経過した後の金利が上がっているか下がっているかの確実な予想は不可能です。
しかし、先物取引を行う事で3ヶ月後の金利を事前に決定する事が可能になります。
もし3ヶ月経過した時点で実際の金利が大幅に変動していても、それに伴う想定外の損失を回避できます。

デリバティブ取引がここ数年で広がっている背景としては、金融グローバル化の進行に伴ってリスクの種類も多くなっている事もあります。
経済や金融を取り巻く情勢・法律・企業の文化は国によって変わります。
そのため、他国の企業または金融機関に対して資金の貸借や投資を行う際、国内における金融取引とは異なるリスクを伴う事もあります。
投資を行った国でいきなり紛争・テロなどが起きて、企業に対する膨大な額の貸付金に発生する元金・金利の支払いが行われないというケースも想定されます。

複数の国で金融活動を行う投資家・金融機関は、このようなリスクを極力抑えるためにすすんでデリバティブを利用しています。
デリバティブの発達に伴ってリスク回避が容易になり、それが要因となって金融グローバル化がどんどん推進されています。

・デリバティプはレバレッジの効果を生む
デリバティブがもつ特徴である効果の2つ目が、レバレッジの効果です。
「レバレッジ」という単語は、テコという意味があります。
テコの原理を利用すると小さな力が大きな力になるように、デリバティブを利用するとわずかな資金によって巨額の資金を投資したような利益を得る事ができます。

オプション取引を例に挙げると、今後とある金融商品を購入できるようになる権利の売買を行います。
この商品の購入費用は1億円と仮定します。
オプション取引を利用すれば、該当商品の権利を獲得できる「オプションプレミアム」という手数料を支払うだけで、値段が上がった後の利益を獲得する機会が生まれます。

先物取引などの場合、取引対象商品の値段のうち一定額の「証拠金」を工面する事で取引可能となります。
その分大規模な収益を狙えますが、失敗すると巨額の損失が出る事になります。

デリバティブによるレバレッジの効果を極限まで利用して投資する事で、より高額な投資収益を狙う金融機関も数多く存在します。、
デリバティブは元々リスクを避ける目的で開発されており、その目的とは正反対であるハイリスクの投資に利用された末、金融破綻が発生する事例が何度もあります。

アメリカの投資ファンドでノーベル経済学賞受賞者を輩出したLTCMは、デリバティブによる巨額の損失が原因で1998年に経営破綻しました。
2008年にアメリカから広がった金融危機も、レバレッジの効果によって加速した点があります。

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