円高の発生要因と影響力

為替の相場によって円高・円安が決まる

外為市場での通貨取引の際、1ドル=100円・1ユーロ=120円など、特定の国の通貨と他国通貨の交換額があらかじめ設定されています。
この交換比率を、外国為替相場(為替レート)といいます。

為替相場は一定額に固定されておらず、常に変動を続けています。
円高・円安は、為替相場の価格変動を表現した単語です。
円の価値が外国通貨を上回ると円高、下回ると円安となります。

今日の為替相場が1ドル=100円と仮定します。
アメリカに旅行中、1ドルのハンバーガーを購入する場合、日本円に換算すると100円が必要となります。
そして、翌日に1ドル=50円となった場合、同じハンバーガーを前日よりも50円分安く購入できます。
1ドル=100円から50円になったという事は、円の価値が50円分高くなったといえます。
これがドル安、つまり円高です。

翌日の為替相場が1ドル=200円になった場合を考えてみましょう。
1ドルのハンバーガーを購入するには、昨日の2倍となる200円が必要です。
1ドル=100円から200円という変動は、円の価値が100円分下がったという事です。
これがドル高、つまり円安です。

為替相場の決定は物の価格と同一である

原則として、為替相場は物の価格と同一のシステムで決まります。
日本円の需要が高まる……つまりドル→日本円への交換が増加すると円高になります。
逆に、日本円の需要が下がる……つまり円→ドルへの交換が増加すると円安になります。

為替相場の変動は、さまざまな要因があると考えられています。
しかし、国境を越えた物品売買である貿易取引と、国境を越えた金銭貸借である国際金融取引の動向によって決まるのが基本です。

例と挙げると、特定の商品を日本から海外へ輸出する際、商品を購入した国は日本に代金を支払う義務があります。
貿易の一般的な決済方法は、ドルによる支払いです。
このため、日本では代金として受け取ったドルを、日本円に交換する動向が活発になります。
日本からの輸出増加は、日本円に対する需要を高め、円高を促進しているのです。

同様に、他国の人々による日本の銀行への預金・企業の株式購入も、自国通貨からの円交換が必要です。
海外からの預金・投資の増加もまた、日本円に対する需要を高め、円高の要因となります。

逆に、輸入や海外への投資が増加すれば、円安が促進されます。

日本では円高による影響が危惧されている

株価などと同じく、連日にわたって円高・円安の動向は、ニュースで必ず報道されています。
このように、為替相場の動向は、常に各方面から注目されています。
企業の業績・日本の景気が、為替相場の動向に影響される事が要因です。

日本のとある自動車メーカーが、1台あたり1万ドルで自動車を輸出していたと仮定します。
1ドル=100円から90円という円高になると、1台あたりの売上高は、日本円に換算すると100万円から90万円に下がります。
円高は、輸出産業にとって日本円による売上高を減少させる要因であり、業績にとっても悪影響となります。

ところが、石油の元売り企業のように、海外から大量の原油を輸入するという輸入産業の場合、円高は業績にプラスに好影響を及ぼします。

このように、業界によって円高・円安の影響はさまざまです。
しかし日本では、円高に対して懸念を抱く事が一般的です。
日本経済は、主に家電や自動車などの輸出産業によって支えられています。
そのため、円高によって業績がマイナスとなる企業が増え、全体的な経済・景気に悪影響を及ぼすケースが多くなります。

為替相場は世界中の投資資金でも影響を受ける

近年は、国際的な投資資金の移動によって、為替相場が受ける影響も大きくなりつつあります。
最近の例では、円キャリー取引が、日本円の相場に多大な影響を及ぼしました。

円キャリー取引とは、低金利国である日本で借り入れた日本円を他国通貨と交換し、高金利である欧米・アジア諸国に投資して、金利差分の利益を獲得する投資方法です。
円キャリー取引の拡大に伴って、日本円の売却も増加し、円安が加速する要因となります。

日本は、1990年代から低金利が続いており、アメリカとの金利の差が広がりつつありました。
この影響で、為林相場は長期にわたって円安・ドル高が継続していました。
2007年から2008年には、アメリカで金利を引き下げる政策が段階的に行われ、両国間の金利格差は縮小していきました。

2008年には、サブプライムローン問題を発端とする金融不安・世界中を巻き込む株価下落が発生しました。
国際的な投資資金の動向に変化が生じ、円キャリー取引によるアメリカへの投資は小規模になっていきました。
日本円の売却してドルを購入する取引が急激に減少して、為替相場も円高・ドル安を基調として大きく傾きました。

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