日銀総裁がもつ根源について

金融政策における最高意思決定権は有していない

ニュース番組などでは、日銀代表として記者会見に臨む日銀総裁の姿が頻繁に報じられています。
そもそも、日銀総裁とは、どのような役職なのでしょうか。

日銀総裁というと、一般的には民間企業でいう会長・社長といった強い権限をもつイメージがあるかもしれません。

しかし、金融政策における最高意思決定権は、あくまで日銀政策委員会が有しているものです。
制度の上では、日銀総裁は日銀政策委員会のうちの1人です。
日銀政策委員会は、総裁以下9名全員が、平等に議決権を有しています。
金融政策の意思決定は、多数決で行われます。

ところが、日銀政策委員会は、慣例として総裁が議長を務めています。
つまり、総裁が議論の主導権を握っているのです。
そういった意味で、日銀総裁は日本の金融政策において重要な責務を担っている役職であると考えられます。
やはり、日本の中央銀行……つまり日銀の代表的存在です。

金融政策の内容や景気の現状認識など、日銀総裁のコメントは、国内に限らず、海外からも注目されています。

2008年に日銀総裁が不在となった

日銀総裁は、5年を任期としています。
5年おきに、新たな総裁が決定されています。

2008年3月の日銀総裁交代時には、新たな総裁の決定に時間を要しました。
その結果、一時的ながらも日銀総裁が不在であるという、異例の事態が起こりました。

日銀総裁は、国会の同意を経て、内閣によって任命されます。
ところが、2007年の参議院選以降、衆議院・参議院で多数派が異なる、ねじれ国会となっていました。
そのため、衆議院を通過した政府・与党の総裁人事案は、参議院ではなかなか同意が得られませんでした。
この期間で、新たな総裁候補が何度も変わる事態となったのです。

一時的ながら日銀総裁不在となったものの、ようやく衆議院・参議院双方が同意しました。
そして、第30代日銀総裁として、日銀出身者かつ副総裁に就任していた白川方明氏が任命されました。

政府が日銀に対して強く介入していた1970~1990年代の総裁人事は、日銀と財務省(旧・大蔵省)の出身者が入れ替わりで総裁に就任するという、暗黙の慣例がありました。
これは、たすきがけ人事と称されています。

2008年春の日銀総裁人事の際、財務省出身者である総裁候補は、国会の同意を得る事ができませんでした。
そのため、第28代の速見総裁・第29代の福井総裁に続き、3期連続で日銀出身者が総裁に就任しました。

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